MURDER for Twoのこと その3

この作品を面白くしているものの1つが「言葉遊び」
スクリプトを読んだとき、言葉の面白さをうまいこと使っている作品だなあと思いました。
そして読んでから観に行くとさらに面白さ倍増。
韻を踏む言葉を並べていたり、ダジャレ風だったり、それらがちゃんと日本語で汲み取られています。
中にはどうしてもうまい日本語が見つからなかったんだろうなあと推測されるセリフもありましたが、言葉を大切に扱っていることは十分に伝わりました。
興味のある方はぜひ一度読んでみるといいと思います。
コメディ作品の翻訳って絶対難しいでしょうね。
言葉の問題もあるけど、そもそも笑いのツボが文化によって違うから。
そんなことも思い出しながら、各登場人物の感想を。

 

★ダーリア・ホイットニー

「さあさあみなさん!」で一番初めに舞台に登場した時の衝撃ったら。
坂本くんじゃない。
本物のマダムがそこに!
老婆という設定らしいのですが、わたしにはどうしてもそう見えず、50代のおしゃべりマダムといった感じでずっと観ていました。
ダーリアの思い出の場面というと…いろいろありすぎます(笑)
でもやっぱり、ちっちゃいダーリアちゃんと最後の壮大な歌に勝てるものはなし。
ちっちゃいダーリアちゃん、最初は普通に(普通ってなに…)エレベーターで2階に上がるだけだったのに、いつのまにか2階のベッドで横になったり屈伸したり、最後には家から羽ばたいちゃうし、マーカスにはチンアナゴと言われる始末(笑)
遊びがたっぷり詰まっている場面で大好きでした。
ちなみにこの部分、スクリプトには書いてありません。
本国の公演ではどうだったのか気になります。

壮大な歌はこのお芝居を一瞬にしてひっくり返すほどのインパクト。

♪ついに飛び出すのよ影から
取り戻すのシャイン♪

踊り付きでいつでも思い出し笑いができちゃう。

♪邪魔はさせないわ
あたくし犯人だから♪

サントラを聴いたとき、この歌詞で騙されたんですよ。
てっきりダーリアが犯人かと…。

♪あたくしを 見て!♪

ここもサントラで聴いてからどんなことになるのか楽しみにしていたけど、お腹抱えて笑った笑った。(書きながら今爆笑してます)
アラレちゃんメガネはずるいよね。
あのメガネがあるのとないのとでは絶対キャラクターが違ってくると思うのです。
ケーキを買ってきてパイに焼き直すのも好きだし、人の話を聞かずに済む特殊能力も好きだし、何やっていたか忘れちゃって思わずバン!って言っちゃったのも好きだし、「みなさん静かに」の歌も大好き。(あなたが一番黙れだよ)
自由奔放なホイットニー夫人、最高でした。

そうそう。
アーサー・ホイットニーとのなれ初めの歌でこんな歌詞がありました。

♪ある晩、口説かれたの その顔が大好きと
特に眉毛と、鼻の穴♪

オリジナルの歌詞は違います。
eyebrows(眉毛)とeyes(目)です。
鼻の穴は坂本くんのためのあてがきでした。
お見事。

★マーカス「刑事」

マニュアルの歌がすごくよかった!
それなのに長くて難しくて覚えられなかったのがとっても残念で悔しいです。
マーカスといえばスクービー・ドゥーのTシャツがたぶん肝なんでしょう。
スクービー・ドゥーは飼い主シャギーの「相棒」として、頼りないんだけど一緒に事件を解決していくワンちゃん。(ハンナ=バーベラのアニメ)
いい大人の男性が実はアニメのTシャツを着ていた、というだけでも笑えますが、相棒なんていらない、マニュアルがあれば十分さ!って言ってるマーカスが、アニメの相棒役のスクービー・ドゥーのTシャツをこっそり着ていたところがさらに笑えるんですよね。
でもわたしも後から知ったし、果たしてどれだけの人がそれに気づいたか…