永遠の0のこと

原作ありの映像は基本的に見てから読むことにしています。今回もあらすじすら知らないまま。戦争ものだから泣かずにはいられないだろうと覚悟していましたが、予想以上に泣いて帰ってきました。

現代パートで宮部に対する思いを語る生き残りの方たちが本当に素晴らしい!ほぼこの方たちに泣かされたといっても過言ではないくらい。現代パートと過去パートは別々に撮影されているので、彼らは岡田くんが演じる宮部を実際には見ていないはずなのに、彼らの語る宮部は岡田くんの宮部そのもの。だからものすごく説得力があるし、感情移入も自然にできる。それが見事だと思いました。岡田くんが映画の宣伝のために出演していた番組を見ながら、これだいぶ映像出しちゃってるんじゃないか、と心配していましたが、全然そんなことはなかったんですね。まんまとだまされていました(笑)。テレビで流れていない部分にこそ、この映画の本質があったんですね。

そしてゼロ戦が美しい。VFXとはいえ語弊があるのを承知で言いますが、空を舞い、戦う姿が非常に美しい。だからこそ余計に悲しく感じました。

スクリーンの中に岡田准一はどこにもいなくて宮部久蔵しかいませんでした。言葉は少なくても一つ一つの表情から思いがしっかり伝わってくる。こういうところが上手いなあと思います。どの場面もいい顔をしているんです。パンフレットのゼロ戦の写真を見ただけで、最後にゼロ戦に乗り込むときの顔と、最後のシーンの顔が目に浮かんでまだ涙が出てきます。それだけ彼の表情に力があるんですよね。

あまりにつらすぎて、これまでに買ったインタビュー記事をもう一度読み返しています。そうすることで、これは映画なんだ、作り物なんだ、と自分に言い聞かせないとあのストーリーから戻ってこられないのです。もし見に行こうかどうしようか迷っている人がいたら、是非見に行ってほしい映画です。わたしたちが今、こうして生きていることがどれほど幸せなことか、ひしひしと感じます。