ON THE TOWN 第一幕のこと その2

第一幕だけでいくつまでいくのかわかりませんが続けます。

♬ Come Up To My Place (部屋においでよ)

チップとヒルディーが長野くんとシルビアさんだと聞いた時からこの曲の2人の様子が想像できました。そして想像以上でした。シルビアさんのパワフルなハスキーボイスがイケイケなヒルディーにぴったり。そんなヒルディーに怯みながら健気に抵抗するチップも長野くんにぴったり。歌詞に出てくる固有名詞は一部変えられていました。たぶん日本人にもわかるように配慮されたのですね。エニシング・ゴーズ、ウォール街タイムズ・スクエアなど確かにわかりやすい。しかし元の歌詞に出てくる固有名詞を調べると、今でも存在する老舗のレストランだったりお店だったりします。(しかもトリップアドバイザーお薦めだったりする。)当時のアメリカ人が憧れるレストランだったのかな、タバコ・ロードはそんなに人気のお芝居だったのかな…元の歌詞を見ながら思いを馳せると、チップが行けなかった場所を辿ってみたくなります。この曲で残念だったのは長野くんの声とキーがあっていなかったこと。原曲のキーを変えてはいけなかったのだと思うので仕方がないのですが、シルビアさんとのやりとりがすごくいいだけにこれは本当にもったいなかった。

♬ Carried Away (夢中になるの)

この曲、サントラではあまりピンとこなかったのですが、イノッチと樹里さんの歌の相性が素晴らしくて油断していると口ずさむまでになってしまいました。「夢中に」のフレーズが覚えやすいんですよね。訳詞は英語詞とほぼ同じ。曲調に似合わないコミカルな歌詞は第二幕のピットキンの歌に通じるものがあります。それが余計に滑稽でオジーとクレアをうまいこと表していると思いました。イノッチと樹里さんの動きも見事に滑稽です。イノッチは顔芸もかなり入っていましたけど(笑)「順番守れー!」が頭から離れません。ピテカントロプスの悪い癖ですね。しかし婚約者のいるクレアはピテカントロプスのことを言えないんじゃないかしら。

♬ Lonely Town (ロンリータウン)

「ゲイビーのお通りだぜ」が虚しく聞こえる曲。坂本くんの歌に聞き惚れました。いつも通りのいい声で切なく歌い上げる坂本くん。何も言うことはありません。素晴らしいの一言!続くパ・ドゥ・デュのとき、踊るカップルを見つめるゲイビーの表情がとてもいいんですよね。最初は羨ましそうに見ているのをアイビィと自分に置き換えて想像して夢見心地になって、でも別れていくカップルを見て現実に引き戻される。セリフがなく、ただアンサンブルの踊りを見ているだけなのにゲイビーの気持ちが手に取るようにわかります。こういうところもさすが坂本くん。アンサンブルの踊りは華麗でした。リフトが5組とも違う形で思わずおおっと声を上げたくなるような技もありました。特に上手の紫のドレスの女性。あれは相当難しそうに見えたのですが。

Carnegie Hall Pavane (カーネギーホール舞曲)

ドッドレド、ドレミド、とこれもいつの間にか口ずさんでしまう曲です。バーンスタインの音楽って変拍子を使ったりして複雑な曲のはずなのにすっと耳に入ってきてしっかり残るんですよね。何度も言いますが真飛さんのアイビィがかわいい!君はステキすぎる!(byゲイビー)マダム・ディリーとの音階練習の仕草とか、とにかく全てがかわいいんです。それしか言えません。語彙力がないのがつらい。